Tanto Kakuto Jyutsu

短刀格闘術

戦国時代の日本では、短刀は、相手にとどめを刺すときに用いることを目的としていました。江戸時代になると、武士は大刀と小刀の二本の刀を腰に差して歩くようになります。刀を携えていても、刀を抜くことが出来ない規制があって、人を斬り殺せば罪になる。また、突然に斬り掛かる相手に背中を見せて逃げたり、斬られたりするようなことがあれば、“卑怯者”または“不始末”とされて失業したり、家名断絶といういうこともあるので、刀を抜くことも、斬りつけられることにも対処が難しいというのが実情でした。

外出先や勤務先では、大刀は玄関で預けることになっていましたが、訪問先で面会するときや勤務中は脇差や短刀を帯びることは許されていたのです。これは、突然に斬り掛かられたときに短刀で反撃してもよいということです。技として短刀術というものは無かったので、剣術の鍛錬の中または柔術の一部としてで短刀の使い方を学びます。それを、“腰の周り”とか“手鎖”“小具足”といって、柔術などとひとくくりにしましたが、元は鎧組討術の中で短刀の使い方の技であったものなのです。剣術流派によっては小太刀之術として、脇差による攻防の形があります。女子の心得として小太刀之術を習う地域もありました。稽古は、形と約束稽古です。現代では、古流剣術の団体に小太刀之術として残っているところもありますが、昔ながらの形と約束稽古です。

また、各国の軍隊がナイフ格闘訓練を行っており、それぞれの国の格闘文化を反映しています。世界武術連盟では、ナイフ格闘術の競技化を図り、短刀格闘術の名称で、形から約束稽古さらには乱取稽古で、より実践的な格闘術を目指します。

世界武術連盟の短刀格闘術の競技規則には、日本拳法の当身技と投げ技に関節逆捕り技を加えた競技も行えるとなっています。国または地域によっては、日本拳法の技を加えない短刀対短刀だけの短刀格闘術競技という二通りの競技を行うことができます。

 

世界武術連盟・短刀格闘術競技規則

 

1 競技 この競技は、競技用の短刀(短剣またはナイフ)をもって突き刺す、斬ることに

より得点を争う競技である。

さらには、当身、投げ技、逆捕り技など日本拳法の技を加えて行うこともできる。

1-1 競技者は、競技規則を守り、品格を重んじ公正に競技を行わなければならない。

1-2 競技者は、競技委員会が定めた競技場の中で、競技委員会が指定した競技用の短刀

(短剣またはナイフ)、道衣と防具(面、グローブ、シューズ)を使って1人対1人

で競技を行う。

1-3 得点を得ようとする攻撃に対して、防御しつつ反撃を行う。

得点の多い競技者を勝ちとする。

 

2 競技の種類 

2-1 個人競技と団体競技の二種目で行われる。

1人対1人の競技と、団体(3人、5人、7人など複数人を1チームとする)による競技がある。

2-2 団体競技の種類

トーナメント式と、全ての団体との総当たりによるリーグ戦の二種類がある。

2-2-1 団体の勝敗は1人対1人の得点の合計によって決まる。

勝った人数が同数のときは、すべての得点の合計による。

2-2-2 勝ち抜き戦

勝った者は次の相手と競技を行う。

残った競技者が多い方を勝ちとする。

残りが同数のときは、すべての得点の合計による。

2-2-2-1 勝ち抜いた者が、次の相手と戦う前に1分間の休息を与える。

 

3 個人競技の礼法など

3-1 競技者は、レフェリーの指示により競技場に入る。

ボクシングリンクを使用する場合は、ロープの入り口で、

柔道場なら畳の入り口で、

レスリング場ならマットの入り口で、

正面に向かって、直立して立礼する。

3-2 そのあと、それぞれのコーナーから、そろって競技場に入る。

3-3 それぞれ、マットの赤、青のラインで向かいあい、直立して立礼をする。

3-4 レフェリーの「はじめ!」の発声で競技をはじめる。

レフェリーの「やめ!」の発声で、競技者は、それぞれラインにもどり、直立して向かいあう。

3-5 レフェリーの「赤!」または「青!」の勝ちを宣言する発声のあと、レフェリーの手が下ったら、双方そろって礼をして、マットから出る。

競技場から出たところで正面に礼をして退場する。

 

4 団体競技の礼法など

4-1 チーム対チームの礼

4-2 チームは、選手は1番から2番、3番・・・のよう出場順に補欠選手も整列する。

4-3 レフェリーの指示で、競技場に入るときは1番から順番に補欠選手まで全員が入場する。マットの赤、青、それぞれのコーナーで、1番から順番に正面にむかって縦列に整列する。

4-4 レフェリーの「礼!」の発声で、全員が正面に礼をする。

4-5 この礼のあと、チームは1番から順番にマットの外に出る。

4-6 競技は出場順の1番から、個人競技と同じように行われる。

4-7 競技の礼法は、3-1から3-5までと同じ。

4-8 競技後のチームの礼、競技の後にチームとチームの礼を行なう。

    礼法は4-1から4-5までと同じ。

 

5 競技場と用具

5-1 競技場 ボクシングのリング、柔道競技場、レスリングマットなどを公式競技場

とする。

5-1-1 柔道競技場、レスリング競技場で行う場合は場外規定がある。

 

5-2 用具

5-2-1 競技用の短剣、ゴム製のナイフまたは短刀などの用具は、競技委員会が指定し

たものを使用する。

5-2-2 道衣の上着、ズボンのほか、グローブ、防具、面、シューズなどすべて白色と

する。または、赤、青にする。

5-2-3 道衣は、よごれのない長袖、長ズボンとする。

5-2-4 道衣にチームカラーのマークや文字をつけてはいけない。 

5-2-5 コーナーを示す赤、青の帯は、競技の日に競技委員会が貸し出す。

          

6 勝敗の決定

3分間と2分間のふたつの競技がある。

6-1 3分間で得点の多い競技者を勝ちとする競技。

競技時間を3分間として、その時間の中で得点の多い競技者を勝ちとする。

6-1-1 得点の合計が同点のときは、引き分けとする。

6-1-2 決勝戦は引き分けがない。勝敗が決するまで3分間の競技を何回でも行う。

6-1-3 競技と競技の間に1分間の中休みを与える。

 

6-2 2分間「一本」先取勝ち 合計得点10点で「一本」とする競技。

競技時間は2分間で、先に10点を取った競技者を勝ちとする。

6-2-1 双方とも10点にならず、得点の合計が同点のときは、引き分けとする。

6-2-2 決勝戦は引き分けがない。勝敗がきまるまで、2分間の競技を何回でも行う。

6-2-2-1 競技と競技の間に1分間の中休みを与える。

 

6-3 団体戦の代表者戦

勝った人数が同数の場合、全員の得点の合計が多いチームを勝ちとする。

全員の得点の合計も同数の場合には、それぞれのチームから選出された代表者と代表者の競技で決める。

 

6-4 抽選

    代表者戦でも勝敗が決まらないときには、抽選で決めることもできる。

 

7 審判員

7-1 審判員は3人のチームとなって行う。

7-2 3人の中の1人はレフェリーで、レフェリーは得点を計上しない。

7-2-1 「はじめ!」「やめ!」の発声により、競技が安全で公正に行われるように進行することがレフェリーのつとめである。

 

7-3 2分間「一本」先取勝ち 

2分間で先に10点を取った競技者を勝ちとするとき

7-3-1 10点になる技が決まったとき、または得点の合計が10点になったとき、審判員はホイッスルを吹いて得点した競技者側の旗を高く挙げる。

7-3-2 そのあと、すぐにジャッジペーパーに10点を記録する。

7-3-3 同じ色の旗が2本挙がったとき、レフェリーは「一本!」と声を発して得点競技者の側に手を挙げる。

そのあとレフェリーは、競技者それぞれを試合開始位置の赤、青のラインに向かいあって立たせて、再度「1本!」の発声で得点競技者側に手を挙げる。

7-3-3-1 同じ色の旗が2本にならないときは「一本」にならない。

        レフェリーは、身体の前で両手を下に向けて数回交差させて、無効の意思表示をする。

7-3-3-2 例として、審判員Aが10点に達したのでホイッスルを鳴らして手を挙げるが、審判員Bは10点に達していないので旗を挙げないという場合は

        「一本!」にならない。その後、審判員Bが10点に達したのでホイッスルをならして旗を挙げたときには、審判員Aは、すでに10点に達しているから、審判員Bのホイッスルと同時に旗を挙げ、レフェリーは「一本!」の発声となる。

 

7-3-4 2人の審判員は、1点、5点の技が決まったときには、すぐにジャッジペーパーに記録する。このときにはホイッスルをならさない。

合計が10点になったときだけ、ホイッスルをならして旗を挙げる。

7-3-5 レフェリーが気がつかない危険な行為や反則、負傷または事故などに気がついたとき、審判員はホイッスルでレフェリーに異常をしらせる。

 

7-4 3分間で得点の多い競技者を勝ちとする競技のとき

7-4-1 2人の審判員は、1点、5点、10点などの得点を、すみやかにジャッジペーパーに記録する。

7-4-2 2人の審判員は、3分の競技が終了したとき、すぐに得点の合計を計算する。

7-4-3 レフェリーの「判定!」の発声で、得点の多い競技者のラインの色、赤または青の旗を高く挙げる。

7-4-4 レフェリーが気がつかない危険な行為、反則、負傷、事故などがあるときは、審判員はホイッスルでレフェリーに異常をしらせる。

 

7-5 審判員とレフェリーの礼法などについて

7-5-1 審判員は競技がはじまる前に、それぞれ所定の位置につく。

7-5-2 レフェリーはマット中央あたりの所定の位置に直立して立つ。

2人の審判員は、それぞれ赤コーナーと青コーナーの所定の位置に直立して立つ。

正面に向かって、レフェリーの「礼!」の発声で、そろって礼をする。

 

7-6 審判員の交代 

7-6-1 審判員の交代は、競技の区切りのよいときに行う。

7-6-2 先に競技進行を行っていた審判員とレフェリーは、レフェリーの「礼!」の声で正面に礼をして退場する。

7-6-3 これから競技進行を行なうレフェリーと審判員は、7-5-2と同じ。

 

8 レフェリーによる競技進行における発声

8-1 レフェリーは「礼!」「はじめ!」「1本!」「やめ!」の発声で競技進行する。

8-1-2 レフェリーは競技中に、緊急の場合以外には競技者の身体には触れることなく、「やめ!」「はじめ!」の発声により競技を進行する。

8-1-3 レフェリーの「はじめ!」の発声で競技者は競技をはじめる。

8-1-4 レフェリーは、反則、決まらない組討、場外などを「やめ!」の発声で競技を中断させる。

競技者は「やめ!」の声で、すみやかに赤、青のラインにもどる。

8-1-5 レフェリーは、競技中の事故、負傷などのときには「やめ!」の発声で競技を中断させる。

 

8-2 競技を継続再開するとき

8-2-1 競技者は赤、青のラインで向かい合い、直立して礼をする。レフェリーの「はじめ!」の発声で競技をはじめる。

 

9 短刀格闘術競技の得点 身体図による

9-1 得点は身体図のように、1点、5点、10点の3種類がある。

9-1-1 1点は軽傷 軽い損傷を与えたと思われるとき。

9-1-2 5点は重傷 重い損傷を与えたと思われるとき。

9-1-3 10点は死を与えたと思われるとき。

9-1-4 1点・5点を合計して10点、または、10点以上にするべく競う。

9-1-5 10点で「一本」となる。

9-1-6 3分間競技のとき、10点以上の余った点は、継続して加算する。

 

9-2 短刀格闘術競技による得点について

9-2-1 短刀にチョークで赤、青または白の色をつける。

短刀で突く斬るなどすると、道衣に赤、青または白の色がつく。

その色の数と形を数え、合計により得点を決める。

9-2-1-1 赤、青の道衣では白のチョークを使うこともある。

9-2-2 1点は、実戦の場合に戦闘をつづけることができないと思われる損傷のとき。1点が5回で5点。

9-2-3 5点は、実戦の場合、現状はまだ動くことができるが出血などにより、やがて死に至るほどの損傷と思われるとき「5点」。「5点ふたつで10点」。

9-2-4 10点は、実戦の場合、即死または即倒で戦うことができない損傷と思われるとき。

 

9-3 日本拳法の技と合わせての競技のとき

当身、投げ、逆捕技、による得点は5点とする

9-3-1 5点は、実戦の場合、即倒または気絶などで戦うことができないと思われる損傷を「5点」とする。

5点を2回で10点。

 

9-3-1-1 2分間競技のときは10点で「一本!」。

9-3-1-2 1点+1点+1点+1点+1点+5点のときも10点になるから

「一本!」。

9-3-1-3 1点+1点+1点+1点+1点+1点+1点+1点+1点+1点のとき、10点で「一本!」。

 

9-4 逆捕技による得点は5点とする

    競技者の「参った!」の合図で、レフェリーは「やめ!」の発声で競技者を

赤、青のラインにもどらせる。

9-4-1 2分間競技のときは、合計得点10点で「一本!」先取で勝ちとする。

9-4-2 逆捕技については、競技者から「参った!」の合図がなくても、審判員の判断で得点を与えることができる。

9-4-3 9-4-2のとき、審判員はホイッスルを鳴らして旗を挙げる。

 

10 短刀格闘術競技の得点部位

10-1 10点は、心臓を中心とする胴の部分および頭頂部などの10点の箇所に突き刺したとき。

競技委員会が使用を決めた面の構造によっては、その競技大会としては顔面や頭部への攻撃を禁止することもある。

10-2 5点は、首、ひじの内側、内股などの太い血管や筋などを斬ったとき。

10-3 1点は、全身の10点、5点以外の箇所を突き刺し、または、斬ったとき。

 

10-4 3分間競技のとき、競技終了のあと、二人の審判員は、マットに入って競技者の

道衣と防具のチョークの付着状況を確認する。

突き刺したものか、斬ったものか、など、チョークの数と形を確認する。

そのうえで二人の審判員は自分のジャッジペーパーの修正をすることができる。

10-4-1 2分間競技のとき、「1本!」のあと、ふたりの審判員はマットに入り、競技者の道衣と防具のチョークの付着状況を確認する。

突き刺したものか、斬ったものか、チョークの数と形を確認する。

そのうえで、審判員は自分のジャッジペーパーを修正することができる。

10-5 競技終了の合図と同時の技には得点を与える。

 

11 当身の突き、打ち、蹴りによる得点

11-1 日本拳法における1本を5点とする。

軽量防具を使用するときは、強く当ててはいけない。

11-1-1 倒れている競技者に対しての当身は空撃にすること。

11-1-2 背面に対する当身は空撃とする。

11-1-3 11-1-1、11-1-2の空撃が、実撃になったときには反則とする。10点減点。

 

11-2 連続の打撃などにより圧倒したとき、得点5点を与える。

11-3 競技者双方が同時に得点になる当身技をほどこしたときは、相打ち相殺とする。

11-4 競技終了の合図と同時の技には、得点を与える。

 

12 投技による得点

12-1 日本拳法の競技の投技による「一本」を5点とする。

12-2 連続の投げ技などで圧倒したとき、得点5点を与える。

12-3 組討ちで、下になっても「参った」の意思表示をしない競技者の下からの当

身技は得点になる。

12-4 競技終了の合図と同時の投技には得点を与える。

 

13 逆捕技による得点

13-1 相手競技者の「参った」の合図により得点を与える。

13-2 「参った」の合図がなくても、審判員の判断で得点を与えることがある。

13-2-1 13-2のとき、審判員はホイッスルをならして旗を挙げる。

 

14 場外規定 競技者どちらかの両方の足がマットの外に出たときを「場外!」にする。

14-1 双方の競技者がマットの外に出たときの技は、共に得点としない。「やめ!」

14-1-1 一方の競技者の両足がマットの外に出ているとき、マットの中側にいる競技者から外側の競技者に対しての攻撃は「注意!」となり5点減点となる。

14-2 マットの中側から、得点になる投げ技を行った競技者が、投げられた競技者

といっしょに場外に転がり出たときは得点を与える。

14-3 マットの中から、片足または身体の一部がマットの外に出た相手を攻撃する中

側の競技者の片足または身体の一部がマットの外側に出てほどこした技に対し

ては得点を与える。

14-4 攻撃される側の競技者の片足または身体の一部がマットから出ているとき、

外側から中側の相手にほどこした技は得点にはならない。

14-5 組み討または寝技のとき、マットの外に出ても続行させることもある。

レフェリーの判断による。

14-6 ボクシングリンクを使用するときは、場外規定は適用しない。

 

15 反則 10点減点となる

15-1 当身技、投げ技、関節の逆捕技について、相手を負傷させる危険があると思われる行為15-1-1から15-1-9については反則とする。

15-1-1 防具以外の部分に対しての強打は反則とする。

15-1-2 倒れた相手の防具の面や身体の背面または後頭部に対して強打または踏みつけるなどの行為は反則とする。

空撃を有効とする。

15-1-3 股当に対して、直接の当身を行うことは反則とする。

空撃を有効とする。

15-1-3-1 相手の蹴足をとって巴受けしての空撃による返し蹴りなどは有効。

15-1-4 バックドロップ、または、胸よりも高く持ち上げて落とすことは反則とする。

15-1-5 首を締めた状態で投げ技を行うことは反則とする。

15-1-6 関節に対して当身技をほどこすことは反則とする。

15-1-7 逆捕技をほどこしたまま投げ技を行うことは反則とする。

15-1-8 身体をあずけて逆捕り技を行うこと反則とする。

15-1-9 レフェリーの「やめ!」の発声でも攻撃をやめないときは反則とする。

 

15-2 15-1~151~9に加えて、短刀格闘術競技の反則

     短刀および防具などの用具は競技委員会が認めたもの以外のものを使用してはならない。

15-2-1 道衣や防具以外のところを短剣で突き刺すことは反則とする。

そのほか、相手を負傷させる危険があると思われる行為は反則とする。

 

15-3 道衣や防具が破損したとき反則とする。

競技に際しては、事前に点検をして破損のおそれのないものを使用すること。

15-3-1 相手の故意によるものではなく、道衣や防具が破損して、競技の続行ができないときは反則とする。

 

16 注意 注意2回で反則10点減点とする

16-1 16-1-1から16-1-9のことに対して、レフェリーは「やめ!」の発声で競技を中断させる。

レフェリーの「やめ!」の声で攻撃を止めないとき「注意」1回となる。

16-1-1 戦意を喪失している相手を攻撃すること。

16-1-2 リンクのロープをつかむこと。

16-1-3 リンク、たたみ、マットの外へ逃げることは「注意!」。

16-3-3-1 両足が、たたみ、マットの外に出た相手を攻撃することは「注意!」

16-1-4 相手に背中を見せて、後ろ向きに逃げることは「注意!」。

16-1-5 道衣または防具などをつかむことは「注意!」。

16-1-6 競技終了の「やめ!」の合図のあとも攻撃を止めないときは「注意!」。

16-1-7 競技中に気合い以外の不快な発声や発言または不快な行動には「注意!」。

16-1-7-1 気合は「エイッ」「ヤーッ」「トーッ」がのぞましい。品格ある行動を。

16-1-8 故意に相手の道衣または防具を、つかむことは「注意!」。

さらには、破損させるときは「反則!」。

16-1-9 競技続行が可能に見えても、少しでも道衣や防具が、ゆるみ、脱落、破損したとき「注意!」。

16-1-10 16-1-9のときには、レフェリーの許可を得たうえで、競技を中断して、道衣や防具などをなおすことは「注意」「反則」とはしない。

        ただし、ぐずぐずと時間をかけたり、休息のための時間稼ぎと判断したときには、レフェリーまたは審判員は、「反則」にすることができる。

 

17 反則者の不利益

   14、15、16について、反則した競技者が不利になるようなとき、競技は、その

まま続行することができる。

そのあと競技者がラインにもどったとき、レフェリーは反則者に対して「反則」を宣

告する。

 

18 レフェリーと審判員

   公式競技のときはレフェリーとふたりの審判員で競技を進行する。

18-1 審判長と副審判長は競技委員会が決める。

18-1-1 審判員は世界武術連盟認定の審判員の有資格者とする。

18-1-2 審判員は3年以上の経験があって世界武術連盟の競技規則と運用を熟知し、公正中立でなければならない。

18-1-3 審判員は、競技委員会の許可なく、チーム監督またはコーチなどを兼務することはできない。

18-1-4 審判長は、競技規則にのっとり競技を公正安全に進行する。

18-1-4-1 審判長は競技規則にない事柄など、競技に関するすべての問題を決済する。

18-1-5 正常な状態で競技をつづけることができないようなとき、審判長は競技を中断し、最善と思われることを決断実行する。

 

19 レフェリー

19-1 レフェリーはマットの中において、競技規則にのっとり、競技を公正に進行する。

勝者側のラインが赤ラインか青ラインの色を確認して、「赤!」または「青!」

と宣告する。

19-1-1 レフェリーは、競技者が赤ライン、青ラインに立ち、双方の戦意の高揚の様子を観察して、「はじめ!」の発声で競技をはじめる。

19-1-2 レフェリーは、競技者の道衣や防具の状態が競技に適合しているかに注意する。

19-1-3 レフェリーは、競技が安全に行われるように努める。

19-1-4 2分間の競技のときには、競技者が10点得点すると、審判員がホイッスルと旗で合図をする。同じ色の旗が2本あがっているとき、レフェリーは、得点をとった競技者の方に向かって、手を肩よりも高くあげて「一本!」と大きな声で宣言する。

19-1-4-1 このあとレフェリーは、競技者を、それぞれのラインにもどらせる。

19-1-4-2 ここで、二人の審判員はマットに入って、チョークの形と数をチェックする。ポイントが逆転することもある。

19-1-4-3 19-1-4-2の得点が多い競技者の方に、手を肩よりも高くあげて「一本!」と宣言する。

19-1-5 レフェリーの「はじめ!」の声で競技をつづける。

19-1-6 レフェリーは、競技者のひとりが極めて優勢で、片方が極めて劣勢と判断したときは「やめ!」の発声で競技をとめて、それぞれのラインにもどらせる。

19-1-6-1 競技者ふたりがラインにもどったとき、レフェリーは、優勢の競技者の方に向かって、手を肩よりも高くあげて「優勢勝ち!」と宣言する。

 

19-1-7 レフェリーは、19-1-7-1から19-1-7-5のきには、両手を、まっすぐ上にあげて「やめ!」の発声で競技を中断させる。

続けるときは「はじめ!」の発声で競技を再開させる。

19-1-7-1 競技者が反則をしたとき。

19-1-7-2 競技者が負傷したとき。または事故のとき。

19-1-7-3 投技や寝技が決まらないで長いとき。

19-1-7-4 「場外!」で、競技者がマットから出たとき。

19-1-7-5 競技者の道衣や防具が、緩み、または破損したとき。

 

19-1-8 悪質な行為に対して、レフェリーは負けを宣告することができる。

19-1-8-1 反則負けにするほどではないときには「注意!」を行う。

「注意!」2回で「反則!」で10点減点。

19-1-8-2 19-1-8-1のとき、レフェリーは、「注意!」、「反則!」を、競技者と審判員に、確実に伝わるように宣言する。

19-1-8-3 競技の中での小さな注意は、19-1-8-1、19-1-8-2にはならない。

19-1-8-4 反則や事故のとき、または、わからないことがあるときには、レフェリーは、審判員に相談することができる。

19-1-9 負傷などで競技をつづけることができないと判断したとき、レフェリーは,

競技を中断して「判定!」を促す。

19-1-10 競技時間が終了したときレフェリーは、「判定!」の声で、審判員に「赤」

「青」どちらかの旗をあげるように促す。同じ色の旗がふたつあがった

方の競技者が勝ちとなる。

19-1-11 勝者に対してレフェリーは、「赤!」または「青!」と発声し、その色のラインの競技者に向かって手を高くあげて「勝ち!」を宣言する。

19-1-12 延長戦のとき、レフェリーは、「延長!」、「はじめ!」の発声で進行する。

 

20 審判員

20-1 審判員は、正面に向かって右側の赤コーナーの右上の角の机と、左側の青コーナ

ーの左下の角の机で判定を行う。

20-1-1 3分間競技のとき、審判員は、自分ひとりの判断で1点、5点、10点、を

ジャッジペーパーに記録する。

20-1-2 審判員は、得点、反則、注意、減点を自分のジャッジペーパーに記録する。

20-1-3 2分間競技では、合計が10点になったとき、審判員は、ホイッスルをならして、10点得点した競技者のコーナーの「赤」「青」どちらかの旗をあげる。10-4-1を行う。

20-1-3-1 3分間競技では、10-4を行う。

20-1-4 競技終了で10点にならないときは、その時点での合計点が多い方の競技者を勝ちとする。

レフェリーの「判定!」の発声で、審判員は、「赤」「青」どちらかの旗をあげる。

20-1-5 「赤」「青」の得点が同じとき、審判員は、「赤」「青」の旗を頭上で交差させて、「引き分け!」となる。

20-1-6 審判員は、「注意」「反則」または危険な行為を視認したときは、ホイッスルをならしてレフェリーにしらせる。

 

21 時計係

21-1 時計係は、赤コーナーの審判員の横に座る。

競技の正確な時間を知らせる。

競技は2分と3分の2種類ある。

21-1-1 時計係は、レフェリーの「はじめ!」の声でストップウォッチONで時間を計測する。

21-1-2 時計係は、「やめ!」でストップウォッチをOFにして時間を計測する。

21-1-3 時計係は、2分または3分で、太鼓かベル、ゴングなどで時間を知らせる。

 

22 記録係

22-1 競技に関わる全べてについて、審判長または副審判長は記録を行う。

ビデオ撮影による記録が望ましい。

22-2 競技は原則として体格の無差別で行うが、軽量級、中量級、重量級の3階級

で行うこともできる。

このとき、身長、体重などの計測は審判長または副審判長の責任において行う。

22-2-1 体格別の競技を行うとき、体格別の基準は競技委員会が決定する。

22-2-2 計測は、男性の場合はパンツだけの裸体で行う。

22-2-2-1 女性の計測は、上下の下着1枚だけで行う。

         女性の計測は、女性の審判員または競技委員が行う。

22-2-3 計測の時間に間に合わなかった競技者は失格となり、競技に参加することができない。

 

23 得点の判定

23-1 2分間競技のときは、先に10点とった競技者を「勝ち」とする。

23-1-1 審判員の旗が同じ色が2本あがった方の競技者を「勝ち」とする。

23-1-2 審判員のひとりが「赤」、ほかのひとりが「青」のときは、得点の合計が多い競技者を「勝ち」とする。

       このとき、10-4-1を行う。これにより勝敗が逆転することもある。

23-1-3 23-1-1で、得点の合計が同じときには引き分けとする。

「引き分け」のとき審判員は、「赤」「青」の旗を頭上で交差させる。

2分間の延長戦を行う。

23-1-4 決勝戦では引き分けはない。

「勝ち」「負け」が決まるまで、延長戦を行う。

レフェリーが、競技者ふたりの体力の限界と判断したときには、審判員と協議のうえ、どちらかの競技者を「優勢勝ち」とする。

 

23-2 3分間競技では、3分間で得点の合計が多い競技者を勝ちとする。

23-2-1 競技時間終了のとき10-4をおこなう。勝ち負けが逆転することもある。

23-3 競技者のひとりが圧倒的に優勢のときには、競技終了の時間にならなくても、

「優勢勝ち」にする。

23-3-1 競技者の一方が棄権したときには、他の一方を「不戦勝」とする。

 

23-4 競技者が負傷したときには、レフェリーは審判員ふたりと協議のうえ、競技を続けるか、中断するかを決定する。

23-4-1 負傷の程度が軽いとき、3分から5分の休息のあと、競技を続けることができる。

23-4-2 レフェリーと審判員が競技を「続行できる」と判断したのに対して、競技者が「できない」というときには、その競技者を「負け」とする。

23-5 競技者が負傷して、競技を続行することができないときには、23-5-1から

23-5-5により「勝ち」「負け」をきめる。

23-5-1 負傷した原因が、負傷した競技者自身の行為によるときには、その競技者の「負け」とする。

23-5-2 負傷した原因が相手側にあるときには、相手側の競技者を「負け」とする。

23-5-3 負傷の原因が、競技者の双方にないときには「判定なし」とする。

23-5-4 23-5-3で、競技時間の半ばを経過しているときには、そこまでのポイントの合計で「勝ち」「負け」をきめる。

23-5-5 負傷した競技者が、そのあとの競技から継続することできないときには、その競技者は、つぎの競技から後の競技すべてを「負け」とする。

 

24 異議の申し立て

24-1 審判員の判定については異議を受け付けない。

 

24-2 24-1以外で、競技規則や運営についての意見や問題を提起するときには、つ

ぎの競技が始まる前に、チームの代表者は、審判長に問題提起することができる。

当日の競技大会が終了するまでに、文書にして競技大会委員会に提出すること。

 

25 規定外のこと

この規定にないことについては、審判員の良識において協議する。

 

 

 

索引

 

1、    競技

2、    競技の種類

3、    個人競技の礼法など

4、    団体競技の礼法など

5、    競技場と用具

6、    勝敗の決め方

7、    審判員とレフェリーの礼法など

8、     レフェリーによる競技進行のための発声

9、     得点

10、短剣格闘による得点は

11、当身の突き、打ち、蹴りによる得点は

12、投げ技による得点は

13、逆捕り技による得点は

14、場外規定

15、反則

16、注意

17、反則者の不利益

18、審判員とレフェリー

19、レフェリー

20、審判員

21、時計係

22、記録係

23、得点の判定

24、異議の申し立て

25、規定外のこと